本の話

北方水滸伝を読んだという話

範馬刃牙で主人公の範馬刃牙が「素手の時代だ……」と言ったことは有名ですが、僕も「blogの時代だ……」と急に思ったのでblogを書きます。 ここしばらくはずっと全てのアウトプット能力をtwitterに注ぎ込んでいるのですが、まあtwitterというものは思ったことを…

読んでいてもたいして良いことはないSF名作私選十作

こんな記事が話題になっていた: 読んでないとヤバイ(?)ってレベルの名作SF小説10選 http://d.hatena.ne.jp/Rootport/20130511/1368241656 「読んでないとヤバイ(?)」とかいかにも釣りっぽいタイトルをつけたあげくに、載っけている内容は有名な作家…

強姦、ミステリ、そして倫理。―『インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI』

今から約一年ほど前にHJ文庫大賞にて『せんせいは何故女子中学生にちんちんをぶちこみ続けるのか?』という作品が奨励賞を受賞したとき、僕は大いに落胆したものだ。 「一見過激そうなタイトルをつけてはいるものの、どうせそれは単なる言葉遊びで、問題作…

クジラックスの『ろりとぼくらの。』がしんどい。

「今ロリコンが最も注目しているエロマンガ家であるクジラックス先生の『ろりとぼくらの。』が発売されましたけど、どうですかね」 「昔、『俺はもっと幼女が泣き叫んで嫌がってるのを有無を言わさず問答無用で犯すゲームがやりたいんだ!』みたいなこと言っ…

文学フリマで同人誌とか出します

Q.ねえ、はてな文壇って何? A.知るか というわけで半年前の伏線を華麗に回収して来るべき第十五回文学フリマに参戦決定ですよ! 当然宣伝ですよ! 「ファック! 宣伝のためだけにblog書く奴とか死ね! 日頃はblogなんぞ全く見向きもせずに、twitterで散発的…

ラノベとミステリの話まとめ。あるいは反省会。

http://d.hatena.ne.jp/srpglove/20121004/p1 ・自分では何一つ生み出すことができなくても、時事ネタとか他人のネタ振りにはとりあえず反射するbloggerの成れの果てがこちらですので、上記のエントリを受けてtwitterで適当にダラダラと思うところを書いたり…

ラノベ読者が本格マニアの彼女にラノベミステリーを軽く紹介するための10本

指名されたんだもの、仕方ないね。 参考:アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本 まあ、どのくらいの数のラノベ読者がそういう本格マニアの彼女ををゲットできるかは別にして、「ラノベはまったく知らないんだが、しかしラノベに対す…

清涼院流水はマス大山スタイルの継承者である

前回までのあらすじ:オフ会で集まったblogger達に、「君たちは最近ちっともblogを更新しないからダメだ! そんな君達のために僕が良いことを考えた。今からボウリングをやって、負けた奴がこの本の感想文をblogにアップしたまえ」と言ったら、案の定発案者…

『Another』は綾辻行人版ゼロ年代の総仕上げだ!!

「ってタイトルのエントリーはどうっすかね? 勝てますって。皆ゼロ年代とか大好きだから、人が大量に釣れて、大抵の人は斜め読みして二秒で忘れるだろうけど、ひょっとしたら、そのうちの一人か二人が3年後に図書館で『Another』見つけた時に手に取ってくれ…

小説書いたんで、文学フリマに行きます

おはようございます。blogの挨拶でおはようって言ってる人をあんま見ませんが、業界人の挨拶は四六時中、寝起きから、夢の中までいつだっておはようです。グッモニティービ−、ユルッキンソーヘルシー。 で、一ヶ月半ぐらい前から小説を書く。書かない。書け…

アラン・ムーアの『TOP10』がヤクイ!

10年に1度のアラン・ムーアバブルが到来し、これまで原書でしか読めなかったムーア作品が続々翻訳される昨今、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 しかし、blog検索でアラン・ムーアを検索してみりゃ、どいつもこいつも『フロム・ヘル』、『フロム・ヘル』。 …

ラノベは侮れないという話

こんにちは、こんにちは。小説の方は「ベイブレードで日本一を目指すも挫折して高校時代の3年間を棒に振った男」という設定で書き出しては見たもののあれだな。ベイブレードって全く話を広げようがねえな! 全部捨てた! ボクは再びZEROから始める! そうい…

誰がための物語

『君のための物語』は電撃文庫で、『あなたのための物語』はハヤカワのJコレクション。『あなたの人生の物語』だとJコレじゃなく青背になってしまい、「人の為の物語」と書けば講談社BOXの『偽物語』であり、そのシリーズ第1作目『化物語』のテーマソングが…

今年面白かった小説とおまけ

今年面白かった小説 今年といっても覚えているのがここ三ヶ月のみだったので、最近読んで面白かった本を書いてきます。売れてる本しか読んでないです。来年からは読んだ本をきちんと手の甲にメモしたりしていきたいです。ちゃんと油性で。 告白作者: 湊かな…

浦賀和宏「生まれ来る子供たちのために」は、すべての非モテがいま読むべき本だと思う。

とうとう、浦賀和宏の長編シリーズ「松浦純菜シリーズ」が完結した。 本シリーズの三巻(上手なミステリの書き方教えます)が講談社ノベルスで刊行されたのを一気に読み感動してから2年と数か月、待ちに待った刊行である。生まれ来る子供たちのために (講談社…

文芸誌をたくさん売る方法と誰がパンドラを読んでいるのかという話

匿名ダイアリーを見ていたら、こんな文章が載っていた。 講談社編集部の姿勢に物凄く頭にきた。 この記事に対するブクマのコメントを見ていたらアホだ馬鹿だと叩かれていて、俺としてもこいつは馬鹿だと思うし甘っちょろいとも思うが、正直なところ彼がここ…

池上永一の『テンペスト』は凄いよ! 面白いよ!

本を紹介するので、なるべくキャッチーなタイトルにしてやるぜ! と考えたのに、カタツムリに人参やキャベツを食べさせて、「カタツムリって食べた物の色と同じ色のウンチをするんだ! 凄い! 面白い!」みたいな小学校低学年っぽい感じになったので、自分で…

PSYCHE 唐辺葉介

物語というものは、やはりハッピーエンドが望ましい。物語につきあってた人としてはその物語の登場人物がどんなに絶望的な状況であっても、最後には何らかの救いによって幸せになって欲しいと思う。 けれども、めでたしめでたしでは、語る事のできない何かが…

AURA 〜魔竜院光牙最後の戦い〜 田中ロミオ

田中ロミオといえば、そのペンネームが、80年代のコミケで『キャプテン翼』『聖闘士聖矢』などを元にして、その独特のキャラクター描写で、本来の購買層である女性からだけではなく、男性からも支持され、当時の晴海に名を馳せた、中田ジュリエットが元ネタ…

読書感想文よりは有効だと思われる文章訓練法

http://koerarenaikabe.livedoor.biz/archives/51227998.html 小学生の頃、読書感想文が嫌いで嫌いでどうしようもなくて、当時あまりに書けなかった苦しみにより、どんな本を読んでも、「けど、こんな本を読むぐらいなら、ビールを飲みながら、ビーチでナオ…

耳をふさいで夜を走る 石持浅海

本の感想を書くっていうと、まずは読んでない人の為にあらすじから書くべきなので、粗筋から書くけど、そもそもミステリーってどこら辺までが粗筋に含まれるのかが、よくわからないっていうか、「三階建て屋敷殺人事件」みたいに、殺人事件ってのがついてい…

一時期のヤンサンの馬鹿編集長は林じゃないよ。

最近のサンデーは案外読む漫画が多かったりするので、悪くないんじゃないかしら。『金剛番長』、『ケンイチ』、『ギャンブルッ!』、『月光条例』、『結界師』、『神のみぞ知るセカイ』。うん、悪くない。と思ってたこの頃でしたが、雷句誠先生が怒り狂って…

オタクはすでに死んでいる 岡田斗司夫

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1121885.html オタクは死んだ→俺は生きている→俺はオタクじゃない→やったー、俺はリア充だーっ! リア充になったので記念に買ったよ!オタクはすでに死んでいる (新潮新書)作者: 岡田斗司夫出版社/メーカー: 新潮…

ラーメンの話

たいていの本はつまらないので、あなたががそのジャンルの本全部読んだ上で「つまらない」と、ある本を言うんだったら認めてやるよ - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt) 私は三度の飯よりラーメンが好きなので、わかりやすくラーメン…

彼の殺人計画 鬼頭莫宏

買ってまで読もうとは思わないのだけど立ち読みするぐらいには面白いので、月刊の時よりは成功したと思われるジャンプSQに、最近流行ってる就活アドバイス風に言うと、鬼頭莫宏の漫画が好きな奴は絶対就活に失敗する! けど、そんな漫画を描いている当人は過…

SF板にて

普段からVIPで桂歌丸死亡!!とかっていうタイトルのスレを見るせいで、アーサー・C・クラーク死去っていうスレタイを見て、糞スレ立てんなよ、ボケって思った数秒後に、そういえば、クラーク本当に死んじゃったんだなあって気づいてちょっと悲しくなった。

子供たちを責めないで

何の因果か、いまさら『聖闘士星矢』を全巻読んだ。 よくブリーチだのワンピだのを捕まえて、「こんなのを読んで面白がるのはゆとりw」なんていう意見を目にするのだが、正直な話、これと肉と男塾を楽しんでた奴にその台詞を言う資格は無いと思う。 特に星…

本屋なら何でも良いってわけでもアルマーニ

今話題の19歳。去年まで金無しニートだったけど、セカンドライフで月収13万稼いだ。一度やってみなよ。を読んだ。 ニール・スティーヴンスンが90年代に考え、あっさりぶん投げたアイディアをわざわざこのご時世に持ち上げた、あんな糞みたいなもん誰がやるか…

私の男 桜庭一樹

ネタバレがあるので読んでねえ奴はけえれけえれ。 で、直木賞とかいう有名な小説の賞にノミネートされたらしいので読んだ。 この作品を語る為には、そもそも物語において、恋愛に発展する以前の関係性について考えなければいけない。そこでまずは、何故、幼…

素粒子 ミシェル・ウエルベック

昔、伊集院光のラジオにて、ゲストで出演してたアンタッチャブルの山崎が「アメリカ人に童貞はいない」ってなことを言ってて、そんなことはどう考えてもありえないのだけど、その時は話の勢いもあって、処女懐胎程度には説得力があるなと感心しかけたのだけ…