文章力とかって売上げにはあんま重要じゃない。

 http://d.hatena.ne.jp/hanemimi/20071125/1196023055
 上のエントリでは揶揄した感じで 

感動のケータイ小説ってのは、多くの読者の感動のツボをおさえたの引き金の集合体なんじゃないかしらという話。

 ってな意見が取り上げられてますが、実はそれってある意味一番難しいと思うんですよね。
 そんなわけで、何やら恋空って書くと、女子高生からのアクセスが十倍に膨れ上がり、良識のある人々から十倍後ろ指をさされるという話を聞いたので、恋空について書きます。 
 正直な話、僕は良識なんかよりも女子高生が好きですから。
 象さんと麒麟さんよりも女子高生さんが大好きですから。
 突然、話は変わりますけど、村上春樹っているじゃないですか。
 ほら、小洒落た文章でセックスのことばっかり書く作家。
 こういうこと書くと、恋空が好きっていうぐらい叩かれそうなんだけど、俺、あいつのこと大っ嫌いなんだよね。
 ことあるたびにセックス、セックス。一にセックス、二にセックス、三四にセックス、五にセックス。てめーはセックス村の村長かってぐらいセックス。
 こういうこと書くと、識者の方々に「これだからセックスもしたことがない童貞は」って嘲られそうなんですけど。まぁ、無理なんですよ。受け付けない。
 作家の村上春樹の良さがわかりません、教えてください。 読書の… - 人力検索はてな
 上の回答も目を通したけど、あっそうですか。そんなもんですかって思うぐらいで、どうも釈然としない。
 何で回答者は誰もセックスって言わないんだろう?
 俺の中で、村上春樹が文壇の中ではなく、これほど世間一般に受け入れられた理由って、春樹みたいなセックス観がそれまでの日本文学に無かったからだと思うんですよね。
 何にせよ、春樹の恋愛観は非モテの僕には受け入れられません。
 閑話休題
 でさぁ、話を恋空に戻すけど、俺が春樹を嫌ってる理由と、良識のある読者家(笑)の方々が恋空を嫌ってる理由って似通ってると思うんですよね。
 いや、そりゃあ、現代の日本作家で随一の文章力を持つ、村上春樹と、中学レベルの恋空の文章を同列に語るのは当然無理があるってのはわかりますよ。ケータイ小説の悪名の高さは文章の下手さから来てるといっても過言ではないですから。
 けど、じゃあ、あれの文章が上手かったら、お前ら評価するのかよって話ですよ。
 どうせ、あんなストーリーありえないって言うでしょ。
 それ、その狭量な価値観。俺が春樹嫌いっていうのとほぼ一緒。
 よく、恋空批判意見に、レイプされたら、普通あんな簡単に立ち直れないってのがあるじゃないですか。
 それが、間違いなんですよ。多分恋空で感動してる女はレイプされてもあんな簡単に立ち直れるんですよ。
 だって、俺が春樹の小説に対して、あんな簡単にセックスに持ってけるなんてありえないって言ったら、世間は当然「童貞乙」って言うでしょ。だって、あいつセックスは山火事みたいに無料って言うんだぜ、ありえないだろ、それ。けど、世間から見れば、セックスって山火事みたいに無料なんでしょ。
 それと一緒ですよ。恋空で感動した女子高生から見れば、恋空みたいな展開ありえないって言ったら、「オッサン乙」で一蹴ですよ。そういうもんですよ。価値観の違いなんです。
 ついでに、もう一個実験してみると、上の春樹好きの人の回答をちょっといじれば、普通に恋空好きの擁護にも見えるようになるんですよ。文章面を褒めている人の回答は流石に無理ですが、例えば、sainokamiさんの回答をいじると、

nhateさんがおいくつかわからないですが、

個人的に、恋空はモヤモヤウラウラした時期に読むものだと思います。

思春期を脱したのか最近の作品を読んでも楽しめませんでした。




淡々、スカスカの表現がかえって個人の思い出なんかと結びついて読む側に都合の良いように解釈させるということもあります。

押しつけがましくないという感じです。

私は反対にこのスカスカ感というか透明感が好きです。




ちなみに、表現方法が全然違う町田康とかも好んで読んでます。

 ってな具合にあんまり違和感が無いでしょ。
 あとjingpingさんの回答をいじると、

 16歳女です。恋空、好きです。どこが好きなのかといいますと、乱暴な言い方ですが、「わかってくれてる」感があるからです。私は、恋空のいいところを友達に聞かれると「なんかわからないんだけど、なんかいい」と答えてしまいます。答えになっていないかもしれないので、言い換えてみると、「うまく自分で言語化できない意識が、言語化されてそこにある、」という感じでしょうか。そこにたまらなく惹かれてしまうのです。

>ほのぼの、というか、(申し上げにくいですが)悪く言うと淡々、スカスカ、という印象です。

淡々とシンプルは違うかもしれませんが、淡々とした表現、シンプルな言葉で結果としてシンプルではない現実を書いている、と思うのですが。どうでしょう。

あとは、「スイーツ(笑)」に注目してみるのもおもしろいのではないでしょうか。

 こんな感じになります。別に改変できそうだからしたまでで、悪意はないです。
 無論、春樹の小説と恋空じゃ、小説の出来栄えは較べものにはならないのですが、核の部分、つまりある種の人に絶賛されるも、ある種の人から決定的に受け入れられなくなる部分があるってのは似てると思うんですよ。
 結局育ってきた環境が違うから価値観はイナメナイんです。
 良さがわかんないものに対しては黙ってシカト決め込むのが得策ですよ。
 ウィトゲンシュタインもそんなこと言ってました。
 どんなに優れた論理を用いて、恋空がくだらないことを証明したとしても、多くの若い女性があの本に感動した事は覆せませんからね。
 それでも、良識ある読書家(笑)の人で、あんなクズみたいな文章の本が売れてることに納得出来ないって人はこれでも見てください。
 大して良い文章の本が並んでるとは思わないでしょ。
 売れる本なんてのは昔っからそんなもんですよ。