イリーガル・エイリアン ロバート・J・ソウヤー

 お久しぶりです。基本この日記は人工無能と一緒で、外部からの刺激があるか、本読むかすれば、適当にそれに関するレスポンスはあるものの、最近は抜け殻みたいな感じでして、抜け殻といえばハチクロで山田さんが言ってた、蝉の抜け殻を噛むと、夏の終わりを感じるし、シャリシャリして苦い。という台詞が思い出されますが、もう冬ですよ。夏の終わりも終わっちまいましたよ。やべーよ、冬。寒いっす。自分冬眠するっす。といって、布団にくるまってたので、さよならインターネットみたいな状況だったんだけど、そうも言ってられねえので、ただいまインターネット。
 いや、もう、すぐ死ぬけど。クリスマスだから。
 で、ソウヤー。今更ソウヤーの感想を書くことに何の意味があるんだい? と問われても、たまたま布団にくるまってる間に読んだだけ以上のことは言えませんが。
 さて、このイリーガル・エイリアンのあらすじ。宇宙から宇宙人がやって来て(冗語法)、滞りなくファースト・コンタクトを果たしたものの、そいつが、どうやら人一人殺ったらしいんで、腐れメリケンが、てめーらが人様の国でやった犯罪は身内ぐるみで囲んでかばって、治外法権振り回し、無罪放免にして、ソーリーって言ったら負けだから、一切謝罪の様子も見せず国に帰すような連中がだよ。アメリカイズジャスティス! 正義! 公平! 正当! 我々はジャスティスなので、宇宙人でも裁判にカケマース、モチロン死刑deathってな具合の話。思わずファックって言って、身近にいた外国人を殴ってやろうとしたけど、元NOVA講師だったので、辞めた。
 いや、別にこの話だってね、宇宙人を裁判にかけるっていう設定が面白かったそうだからであってね。宇宙人と法廷ミステリを書きたかっただけなのだからね。そういうことばっかり気にするのは駄目だよ。って諭された。もう一人の俺に。
 あまり、特定のイデオロギーを偏重すると面白そうなものも素直に楽しめなくなるから駄目だという話です。俺はもう痛いニュース見るの辞めるよ。
 それはそれとして、以下話の本編のネタバレ。
 




 面白い。確かに面白いよ。
 裁判シーンもしっかりしてるし、脱皮があんな伏線になってるのも上手だと思うよ。
 けど、違うんじゃないかと。物語の冒頭で、人が殺されていて、どう考えても宇宙人が殺したに違いない。どうにかして、宇宙人の無罪を証明しよう。
 その話でさ、結局その宇宙人が本当に犯人だったっていう展開は無いんじゃないかなぁ。
 普通はそれで調べていくうちに、色んなことがわかって、彼の無罪がわかるっていうのが王道じゃないですか。
 それなのに、過失だけど、宇宙人殺してました。まぁ、背後には膨大な理由があったんです。許しておやりよ。うん、まあ、しょうがないけどさ。SFミステリとしては面白かったけど、法廷ミステリとしてそれはどうよ? 何だかなぁとは思った。
 けど、そういう俺の心が狭量だから納得いかないような些細な点に目を潰れば面白かったです。
 ソウヤーは何を読んでも面白いなあ。ホミニッドは全く面白くなりそうにないから投げたけど、どうなのかなあ。