エロゲオタが非オタの彼女にエロゲ世界を軽く紹介するための10本

 参考:アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
    http://d.hatena.ne.jp/dario04/20080723#p1 

まあ、どのくらいの数のエロゲオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らない18禁ゲームの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、エロゲのことを紹介するために見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にエロゲを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)



あと、いくらエロゲ的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
エロゲ好きが『天使たちの午後』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

エロゲ知識はいわゆる「PSに本格的に水を開けられ始めた頃のSS」的なものを除けば、全年齢でアニメ化程度は見ている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。


To HeartLeaf

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「東鳩以前」を濃縮しきっていて、「東鳩以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも1キャラ4時間前後だし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。


ママトトアリスソフト)、大悪司アリスソフト

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなゲーム(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「エロゲオタとしてはこの二つは“ゲーム”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。


CANNONBALL 〜ねこねこマシン猛レース!〜(ライアーソフト

ある種のSFエロゲオタが持ってる宇宙への憧憬と、星空めてお企画のオタ的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも小梅けいと
「童貞的なださカッコよさ」を体現するフィリオ
「童貞的に好みな女」を体現するフォクシィ
の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラと致命的なバグを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。


君が望む永遠(âge)

たぶんこれを見た彼女は「昼メロだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これが一部のエロゲオタ界隈では大人気になったこと、文芸作品なら実写テレビドラマになって、マナマナが全面カットされてもおかしくはなさそうなのに、エロゲ内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。


Phantom -PHANTOM OF INFERNO-(ニトロプラス

「やっぱりエロゲは社会に適応できない中二病のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「月姫」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける虚淵玄の思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも原稿用紙1000枚 、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
Phantomの長さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが麻枝や高橋だったらきっちり総プレイ時間15時間にしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて原稿用紙1000枚分を作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ虚淵玄がそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。


ONE 〜輝く季節へ〜(Tactics

今の若年層でONEプレイしたことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
CLANNADよりも前の段階で、麻枝の哲学とかいたるのデッサンとかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティの作品が18禁ゲームでこの時代にかかっていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくエロゲ好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆる東映劇場版アニメでしかKeyを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。


フロレアール〜すきすきだいすき〜(13cm)

元長の「目」あるいは「メタづくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「索漠とした日常の繰り返しを毎回クリック」的な感覚がエロゲには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそ『CROSS † CHANNEL』『Fate/hollow ataraxia』のエンディングはループ世界からの離脱以外ではあり得なかったとも思う。
「日常を延々と繰り返す」というエロゲオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「ループの気分」の源は「フロレアール」にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純にメルン(幼女メイド)にハードSMプレイを仕掛けて楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。


姫騎士アンジェリカ(シルキーズ)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういう鬼畜風味の調教をこういうかたちでエロゲ化して、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発しちゃうううぅぅぅ、ぬは、ぬほ、ぬほほほほ! にょほほほほほっ! うひひぃ!い、いぐ、いぐぅ! いぎまずっ! ド派手にいぎまずっ! お、おおおぉ!おほ、おほ、おほっー!むぉおおお〜ん!
というのを見てみたい。


Fate/stay nightTYPE-MOON

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にFateを選んだ。
To Heartから始まってFateで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、エロシーンを除くとラノベになる作品の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。



「駄目だこのオタクは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。