無人島問題で下衆に思われずに冴えた答えをする方法
悪いのは誰? - ある無人島漂流の物語
語りつくされた感があるけど、とりあえず。
誰が悪いかってそりゃお前さん、船の代価に身体を要求する男が悪い。
例え契約が成立したとはいえ、相手の足元を見て、ほぼ選択不可能な契約を持ちかけている時点で充分悪いであろう。こんな男の風上にもおけない女の腐ったような奴……などというと、流れ的にフェミニストに怒られるのでウンコマンと呼ぶことにするけど、この危機的状況で船が無かったら困るのは、他のメンバーだけでなく、ウンコマンも同様であり、助けを求める為には早かれ遅かれ船を直すしかないし、今後しばらく無人島で暮さざるを得ないことを考えれば、他のメンバーとの関係性の点からも何も言わずに直した方が賢明であり、それが一般的な考えというものである。
公の場では、男性の多くはこのウンコマンのような卑劣な取引は行わないと主張するだろう。
しかし、ここで考えて見て欲しい。
もし、この妻が綾瀬はるかだったらどうする?
綾瀬はるかである。別に石原さとみでも掘北真希でも好きな女性を想像してもらえればよろしいが、とりあえず綾瀬はるかである。
普通に暮らしていれば、綾瀬はるかを抱く機会はおろか、喋ったり手を繋ぐ機会もないであろう。だが、貴方は今船を直すのをちょっと渋ってみせるだけで、綾瀬はるかを抱けるかもしれないのだ。船を直したところで、このまま助けが来なければ、いずれは朽ち果てる身。だとすれば、とりあえず船を直す代わりに綾瀬はるかに抱かせてくれと持ちかけてしまってもしょうがないのではないだろうか。
ここで迷わず、それでも自分は無償で船を直す。という人がいるのであれば、僕はその人の克己心に心底感服する。こういう人を男の中の男……というとまたフェミニストの方々に批判されるので、人間の中の人間と呼ぶことにしよう。僕にはこの人のような強い覚悟は持てない。
だから、上のリンクでは船を直した男は感情論としては許せないと言っていたが、僕としては逆である。
感情的にはそのような契約を持ちかける男の気持ちがわからなくもない。
だって綾瀬はるかだもん……。青い空、青い海、目の前には俺に助けを訴える綾瀬はるか……。
俺には無理である。俺はフェミニストになれなかった。俺は自身の心の弱さに血の涙を流す。
みたいなことを言うと、例え一部の男性からの支持を受けても、多くの女性からこの下衆野郎などと罵倒されるので、別の回答を考えなければならない。
まぁ、一般的に考えて一番悪いのが船を直せる男であるというのは確かである。
しかし、他人と同じ答えを言ってもつまらないのがこの世の常。
「最近は寒いでんなぁ」「そうでんなぁ」「このまま寒くなったら八月辺りには、マイナス80℃ぐらいになってるなんてことはなくて、春ぐらいにはまた暖かくなって、八月になったら暑くなるんやろなぁ」
というのは、やっぱ駄目で、他人と違うことを言ってなんぼがこの業界であり、他人と違う事を言って、それを論理立てて説得してみせてこそ、グループディスカッションである。異論は大いに認める。
だけど、問題の時点で充分下衆なのに、その中で最も下衆な奴のやり口を弁護しながら、自身を下衆に思わせない方法。そんな魔法のような方法はあるのか。
実はある。答えは単純である。自分以外の意見として男を弁護する意見を述べれば良い。
だから、ここでの模範解答はこうである。
「けど、島耕作だったら、これくらいの取引は持ちかけるよ」
これで間違いない。一代にして、大手電機メーカー初芝の社長に成り上がった男。
ビジネスの世界において、彼の価値観を良しとせずに何を良いと言えるだろうか。
その島を社長にまで押し上げた要因は女である。
何か困難に見舞われた際には、その場その場で過去に抱いた女を利用して、乗り越えてきた島。
そんな島耕作だったらとりあえず抱く。実際には抱かないかもしれないけど、そんなことは知ったこっちゃない。
その場に島耕作を読み込んでいる女性がいない限り、この意見は強力な説得力を持つはずである。
「僕の意見ではないけど、島耕作だったら間違いなく抱くし、ビジネスという面からはこのような取引を持ちかけるのも悪いとはいえないんじゃないかな。だって島のスタイルだよ」
この意見によって、船を直した男を弁護しながらも、自分が男尊女卑のセクハラ野郎という誹りを回避することもできる。悪いのは全部島耕作である。
ありがとう、島耕作。
無人島だけに島つながりで島耕作。
おあとがよろしいようで。
結論
「けど、会社のGDに島耕作を持ち出す奴は絶対に出世できませんよね」
「だろうね」