モゲマス女衒日記 風雲編

 ※よいこのためのちゅういがき
 この日記の内容は大体ノンフィクションですが、ここまで好き勝手書けているのは、中の人がもう引退しているからです。
 あと、この日記に書かれていることを実践すると、友達から冷たい視線を浴びたり、2chにIDを晒されて5分間の間に20人以上の人からフルボッコにされたりする恐れもあるので、ご利用は計画的に。

前回のあらすじ
金はアイドルより重い……!


五日目
大丈夫、大丈夫、秋元康よりはマシだって!
 そんなことを自分に言い聞かせながら、アイドルの売り買いを目論む。
 しかし、商売をするためには、元手となる資本(スタドリ)が必要である。
 カイジエスポワールから無事帰還できたのも、最初に1000万円借りたことによるものが大きい。
 まぁ、そういう点でも、ソーシャルゲームカイジの限定ジャンケンに近いものがある。ただ、ルール通りにジャンケンをするだけでは何も成せず、他のプレイヤーとの交渉や協力こそが勝利の鍵となる。
 モバゲーもそれと一緒である。やってみるまではあんな単純なゲームの何が面白いのよと思っていたが、実際にプレイしてみると、そんな簡単な話ではないと気づいた。シンプルな構造に、他プレイヤーとの駆け引きが加わることによって、モバゲーは人を夢中にさせ、魔法のように金を生む商品へ生まれ変わるのだ……!
 閑話休題
 とにかく商売を始めようというのに、イベントで手に入れた数本のスタドリと、スタドリに練成されたいおりんだけでは、心もとない。
 何か楽してスタドリを集める方法は無いだろうか……………………課金しちゃうか。
 別に何も10万ペリカも20万ペリカもつぎ込もうっていうのではない、ほんの1万ペリカぐらいだったら有りかもしれない。ほらね、人によってはレアアイドル一人を手に入れるために、50万や60万ペリカも投入しているんだしさ、それに較べたら10000ペリカぐらいの課金ぐらい可愛いものじゃない。だいじょぶ、だいじょぶ、今日と明日と明後日の食事を質素にすれば取り戻せる額じゃない。
 そんな悪魔の囁きに負けそうになりながら、例によって2chモゲマス関連のスレをのぞいていたら、「招待スレ」というのを発見した。
 このゲームでは、人を一人招待すると報酬として、レアカードが貰える。典型的マルチ商法の構図である。
 つまり、まだ招待されていない人間には、レアカード一枚分の価値があるのだ。
 そして、招待をしてレアアイテムを貰えるのはモゲマスに限らず、他のゲームでも共通である。
 さらに、ゲームにもよるが、十名ぐらいから同時に招待を受けることができるのだ。
 これらの要素を総合をすることによって、
「お前らに俺を招待させてやるから、俺にアイテムをよこせ」
 というwin-winの商売が成り立つのである。
 モバゲーマジ恐ろしい……。
 そして、招待スレでテンプレをよく読みこみ、他の人間の実践例を参考にした結果、わずか30分程の作業で、俺の手元には20本のスタドリが集まった! 20000ペリカ! 時給換算して40000ペリカ!!
 これなら一日外出券にも手が届く! いや、カイジの話はもういい。さっき終わった。
 というわけで、2chのトレードスレに赴き、アイドル達の値札をじっくりと眺めた。
「誰だか知らないがこの娘は高い値段がついているな」「真は765プロのアイドルなのに1000ペリカで売りに出されてるのか」「それに較べて3000ペリカで売りに出されてる美希はやはり天才だな」「SR貴音って400000ペリカで売りに出されてんのかよ……狂ってるな」
 まぁ、元手はあるしということで、安売りしてくれる人が現れるまでスレに貼りつき、アイドルが安く売られる瞬間に飛びつく作業を繰り返し、そこそこの数のアイドルが揃った。
 かくして、『大航海時代』シリーズですら御法度にしている、人身売買ゲームがここに幕を開けたのである。
 
六日目
 …………売れない。
 アイドルの値段をトレードスレに書き込み、30分以上経つが、何度携帯を見てもトレードの申し込みがやってこない。
 気分はつげ義春の『無能の人』である。まー、実際無能だしねー。
 あまりにも売れないので、店先に並んでいるアイドル達が不安そうな目でこっちを見ている。
 何故売れないのか。確かに他の人よりもちょっぴり高く売っているが、充分需要はあるはずではないか。
 このページに掲載されている相場表と較べても、充分適正価格である。
 少なくとも公式掲示板のボッタクリ価格よりは遥かにマシなはずだ。
 しかし、その「ちょっぴり」が商売では大きいのだ。
 他の場所で1000ペリカで売られている物を2000ペリカで買う者がいるだろうか? 確かに映画館やホテルや山頂の自販機では缶ジュースが2000ペリカで売っている。だが、その隣に普通の値段の自販機を置いた場合、2000ペリカの自販機を利用する者などいるはずがない。
 そりゃちょっと前のレスで1000ペリカで売られていたアイドルを2000で買おうと思う奴はそう簡単に表れない。商売はそんなに甘くないのだ。
 そして、さらに重要なことに気づいた。
「パーが……買い占められている……!」
 違う、そうじゃない。だからカイジの話はもういいんだよ。円に換算しちゃうと生々しすぎてちょっと引くから、通貨をペリカにしてるけどカイジは関係ないんだよ。
 で、何に気づいたかっていうと、アイドルの値段が日々順調に値下がりをしているのだ。

Q.どうしてあんなにかわいいアイドルたちがどんどんやすくなるのですか?

A.たくさんのアイドルが売りに出される→手に入らない人が買う→欲しい人に充分行き渡る→買う人が減って値段が下がる。

 うん、こういうの中学校の頃に公民の時間で習った!
 こうして俺が大量に買い取ったアイドルが負債となってのしかかる。
 やめてくれ、お前ら、俺の身体はかな子の体重を支えるだけで精一杯なんだ……!
 こうして俺は泣く泣く買い取ったアイドルを、買った時の値段そのままで売りに出した。
 一部売れ残った……だが、このままでは負けっ放しではいけない。
 泣いてばかりじゃ銭の花は咲かんのや。
 アイドルを売って銭を稼ぐ為には、アイドルを商品扱いし値札を見ているだけではダメだ。ちゃんとアイドルのことをしっかりと理解する必要がある。
 もっとアイドルについて真剣に学ぼう! かくして相場表を眺めるだけではなく、wikiを見たり、twitter2chで評判を調べるなど、全く非生産的な努力を積み重ねた。
 その結果、いくつか学んだことがある。


1.新カード出現のタイミングに注意。
 このゲームは基本的に手持ちのアイドルたちを戦わせるゲームである。そういう意味ではポケモンと大差ない。
 当然、戦闘力の強いアイドルは高いレートでやり取りがされている。
 しかし、この手のゲームは新キャラクターを次々と出して、プレイヤーから金を搾り取るのが常道だ。
 今日強いアイドルも、一夜明ければ中堅レベルに成り下がる。
 強さはインフレし、それに伴ってトレード相場はデフレする。
 たとえば、初期のキュートでかなりの強キャラと恐れられた双葉杏も、クリスマス前後には30000ペリカでやり取りされていたのに、高い戦闘力を持つ新アイドルが追加されたことで、年明けの頃には全盛期の半額近くになってしまった。合掌。


 身長139cm、体重30kgという超幼児体型なのに、ニートで17歳という色々詰め込みすぎなキャラ。自分に都合の良いトレードが成立した時は、「エビで鯛を釣るって名言だよね!」という彼女のセリフで挨拶してみよう!


 新アイドル登場=手持ちアイドル暴落となる可能性が高いことは覚えていて損は無いだろう。
 また、特殊イベントをクリアすることで入手できるキャラも、初めのうちは高い値がつくが、その後イベントをクリアしたプレイヤーが増加すると、それに従い価値は急落するので要注意。
 5000ペリカで安売りしていたので、思わず買ってしまった市原仁奈ちゃんも、あっという間に値下がりし、いつの間にか5000ペリカでもちょっと高いお値段になっており、結局最後まで売れ残る事態になってしまった。


キグルミマニアの仁奈ちゃん。お願いだからそんな純真な目で俺を見ないでくれ……。

 
 そしてレアケースだが、アイドルが値上がりする場合もある。
 その理由は、期間限定にある。
 たとえばゲーム開始直後に、人を招待することで手に入った天海春香さんは、あまりにも出回りすぎたため一時期レートは3000ペリカまで下がっていた。しかし、現在では後期参入組からの需要により、レートを5000から6000ペリカまでに戻している。
 さらに、クリスマスイベントでしか手に入らなかったキャラも、遅れて参入したプレイヤーに求められ、値上がりするケースが多々見られる。現在安値で取引されているお正月イベントのアイドルも今後値上がりする可能性は充分にあるので、無駄遣いせずに大事に取っておこう!


2.パッション系のアイドルは値下がりしやすい。
 モゲマスはゲーム開始時に、「キュート」「クール」「パッション」の3つから自分の属性を選ぶことができ、一度決めたら変えることはできない。自分の属性とあっているアイドルほど強力な力を発揮するので、好みのアイドルが多い属性を選ぶのが大切である。もちろん僕はかな子のキュートを選んだよ!

 ちなみに三属性のそれぞれのアイドルの違いだが、2chで説明されていたのを引用すれば

キュート =頭悪い娘が多い。
クール  =頭硬い娘が多い。
パッション=頭弱い娘が多い。

となっている。
 で、実際にプレイした上での感覚的な意見なのだが、パッションを自属性に選んでいる人は少ない。つまり、パッション系のアイドルは需要が早々に無くなるというわけである。
 たとえば昨日も紹介した、一人民族大移動こと諸星きらりちゃんは、俺が女衒を始めたときには3000ペリカでやり取りされていたのが、二日後には平均価格1000ペリカに値下がりしていた。思わず二人買っちゃってたのであんなデカいのがいつまでも二人いて大変だったよ……。

3.可愛い娘・キャラが立っている娘は値下がりしづらい。
 このゲームはアイドルを戦わせるだけではなく、アイドルを集めるゲームでもある。そして、可愛い子は手元に置いときたいのが男の性だ。
 ポケモンだって、強いモンスターそっちのけでひたすらピカチュウを100匹集めるような女性がいたものだ。
 となれば、多少は能力が低くても、可愛かったり、セリフが面白かったりすると、なかなか値下がりはしない。
 先ほど紹介した双葉杏や、クールに所属する神崎蘭子も一時は大幅に値下がりしたが、その後は一定の値段をキープし続けている。


 一見ゴスロリ系クールビューティーながら、発言は重度の中二病。「闇に飲まれよ! (お疲れ様です! )」などと発言に一々翻訳がついています。乙女ロードにいそう。

 とまぁ、様々なことを学び「おっすおっすばっちし!」と意気揚々。再びアイドル売買に意欲を燃やしたのだが、魑魅魍魎が集うトレードスレでは、さらなる試練が俺を待ち受けていた。
 そしてこの時点でアイドル売買に夢中になった俺の脳内からは、かな子の存在が薄れ始めていた……。

ふたばちゃんねるって掲示板があるんだ。
2chとうpろだを足して2で割ったやつだと思えばいい。
ところがこの掲示板、実写コラもあるって物騒なシロモノでねぇ。
あんまり行きたいBBSじゃない。
そんな変態の集団に入って、PCでモゲマスをプレイする方法を探れって注文だよ。
頼みにきたのがドミニクじゃ断れないよな。
しっかし恐ろしいねぇ〜。
次回、「地獄へ! 二次元裏@ふたば」でまた会おう。