自由主義少女リベ子ちゃんQ

前回:自由主義少女リベ子☆マギカ - 脳髄にアイスピック

うわぁ…………今週末の文学フリマ、マジ行きたくねえ…………
「やさぐれてる場合じゃないよ、リベ子ちゃん! 頑張って売らないと300部が! 300部の在庫が!
「無いわー、300とか引くわー、あれでしょ、本当は30部刷る予定が一桁間違ったとかっていうアレでしょ、知ってるわー、この前『氷菓』ってアニメで見たわー。って貴方は私の使い魔、ラルじゃない」
「あのアニメは学園祭でコスプレしてる先輩が最高だったよね! 昔KOFの女格闘家チームでシコりまくった世代にはジャストドゥーイットだったよね! いや、そんな説明的な台詞より大変だよっ! これを見てよ!」
「あら、人気ライトノベルさくら荘のペットな彼女』のアニメで作中にサムゲタンを出して炎上騒ぎに…………凄くどうでもいいわね」
「全然どうでもいくないよ! これがどうでもいいって言うんなら文学フリマとかいう糞マイナーイベントの方がもっとどうでもいいよ!
「…………傍から見るとどうでもいいかもしれないけど、参加者は結構皆必死なのよ……」
「そんなこと言うなら僕の方がもっと必死だよ! だって今年の冬コミに『さくら荘のペットな彼女』で申し込んじゃったんだよ! 確かにもっと他に売れ線のジャンルがあったさ! 確実に勝ちを拾いに行くんだったら『ジャイロゼッター』か『プリリズ』の二択だってことはわかってたさ!」
コミケにおける勝利の定義がイマイチわからないけど、その二つで確実に勝ちを拾えるというのは何か間違ってるんじゃないかしら……」
「けど、ダメだった…………何も知らない子に性の知識を仕込むっていう僕の憧れが…………ましろに朝から牛乳を腹いっぱい飲ませてパンツの代わりにオムツを履かせて、授業中に脱糞させるっていうプレイがどうしても描きたかったんだ…………それから『よしみちゃん係』ばりにエロを仕込む展開を描きたかったんだ。なのに……それなのに……!」
「…………さすが10年代になってもおジャ魔女のハナちゃんでシコってる男は違うわね。けど、別にそれだったらまあ好きなのを描けばいいじゃない。貴方がMUJINの後ろの方の漫画でしか許されないような性癖の持ち主でもそれを堂々と開陳できるのがコミケじゃないの」
「それじゃダメなんだよ! 売らないと、たくさん刷ってたくさん売らないと正月に餅が食えないんだよ! それなのにサムゲタンなんか出して場の空気を台無しにしやがって! 人の商売を何だと思ってるんだよ、まったく!」
「凄い! 全く社会的正当性を持たない同人ゴロのくせにの権利者側に向かって清々しいぐらいの逆ギレだわ! あとお前の書きたがってる内容じゃ、たとえ『さくら荘』が今期覇権を取ったとしても絶対に餅は食えない!」
「ねえリベ子ちゃん、お願いだよ。どうにかして、この『さくら荘』の悪評を吹き飛ばすようなナイスな方法を考えてよ…………僕だってコミケで稼いだあぶく銭で、ソープで気持ちよく年明けと行きたいよ……ちなみに今の発言はあぶくとソープがかかってたんだけど、わかる?」
「わからないし、関わりたくもないし、気持ち悪いです。とにかく私がとっておきの解決方法を考え出すのでさっさと帰ってください。ポクポクポクポク…………リベラル・リベラル・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク 灰塵と化せ冥界の賢者 七つの鍵を持て 開け地獄の門
「出た! リベ子ちゃんの取りあえず言ってみた感が強い呪文っぽい何かだ!ってか、今回全体的にネタが古い!」
「全ての解決方法が見つかったわ、ラル」
「本当かい? リベ子ちゃん!?」
「早速これを見るがいいわ、ラル」
「こっ、これは……!」

2012-11-05
城咲レシピ〜簡単参鶏湯|城咲仁 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/shirosaki-jin/entry-11397232200.html

2012-11-06
道重さゆみ 「お昼ご飯、サムゲタンでしたっ。とり肉やわらかぁいですねっ」
http://ameblo.jp/sayumimichishige-blog/entry-11397959175.html

2012-11-06
へっへっへ|田中れいなオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/tanakareina-blog/entry-11397894608.html

2012-11-09
今日のお昼は、参鶏湯|高橋名人オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/meijin16shot/entry-11400177122.html

2012-11-10
サムゲタン…☆|市井紗耶香オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/ichii-sayaka/entry-11400822044.html

2012-11-12
〜高麗漢方参鶏湯〜|伊藤れいこオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/ito-reiko/entry-11402584936.html

「こんなこともあろうかと、さっき虹裏で見つけたのを拾ってきたのよ」
「別に得意気に語るようなことじゃないよ! むしろこの手の情報をあんなところでチェックしてるなんて凄く恥ずかしいよ!」
「そんなことよりこれを見てどう思うかしら?」
多くの芸能人が十一月に入ってから突然示し合わせたように、サムゲタンについて語り始めている!…………まさか、これがあの有名なステ
シンクロニシティ
「え?」
「20世紀初頭ウィーンからロンドンへ大量のグリセリンを輸送中のことじゃ。折しもビスケー湾は記録的な台風に見舞われた。僅かの震動も許されるぬグリセリンの輸送だというのに!! とにもかくにも船は無事に到着。船員達は真相を確認すべく樽の開封を急いだ。そこで彼らの見たものは。今までに見たことのない見事に結晶化されたグリセリンだったのじゃ。ところが事態はそれだけにとどまらず、その日を境に世界中のグリセリンが次々と結晶化を開始めたというのじゃ」
「…………」
シンクロニシティ。一見無関係に隔絶された物質や生物、果ては思想が地球規模で同時、同様の変化を起こす。そのような現象をそう呼ぶ」
「…………」
「ここ数日中にここ日本……いや東京にどエラい連中が」
「来ないよ! シンクロニシティの説明をするために『バキ』の内容を丸写ししたからってそこまで再現する必要はないよ!」
「とにかく、まあ、そういうことなのよ。シンクロニシティなのです。当然今巷で有名なステルスマーケティングなんかであるわけがないし、裏で広告代理店が動いてたりするわけじゃないの。たまたまサムゲタンが引き起こしたシンクロニシティに『さくら荘』は巻き込まれちゃっただけなの。そこにはさりげなく韓流を推していきたいとかいう怪しげな思惑が絡んでいるわけじゃないの。全ては神様による運命の悪戯なの。オーライ?」
「いや、全然オーライじゃないし」
あー、こんなこと言ってたら何だか急にサムゲタンが食べたくなってきたわー。寒い時期にはやっぱお鍋が一番よねー。滋養強壮、美肌効果もあってコラーゲンたっぷりなサムゲタンって本当にこの時期にピッタリな食べ物よねー
「…………リベ子ちゃん、ステマっていうのは先に依頼が来てから書かないと、お金はもらえないんだよ?」
「じゃあちょっくら、大勝軒でつけ麺食ってくるわ。リ〜ベラル〜、トカ〜レ〜フ〜、キルゼムオ〜ル〜♪」
「酷い手の平返しだ! あと味の説明が一切なかった辺り、さてはこいつサムゲタン食ったことねえな!」
つづかない

文学フリマで同人誌とか出します


Q.ねえ、はてな文壇って何?



A.知るか


 というわけで半年前の伏線を華麗に回収して来るべき第十五回文学フリマに参戦決定ですよ! 当然宣伝ですよ!
「ファック! 宣伝のためだけにblog書く奴とか死ね! 日頃はblogなんぞ全く見向きもせずに、twitterで散発的に呟くしか能がないくせにこういう時だけ嬉々として更新。かつてはあれほどまでに唾棄していたコマーシャリズムを己のblogに持ち込むとは、この変節漢め! 宣伝のためにしかblogを更新しないような奴にはアメブロがお似合いだぜ! こんな奴らばかりが増えれば、そりゃはてなだって日記にペタペタ広告を貼り付けるようにもなるもんだ、ファック!」
 みたいな批判が聞こえてくるような気がしないでもないが、実際に同人誌を作ってしまったのだからしょうがない。あとはてなが広告を貼る様になったのは俺のせいじゃない。
 まあ、作ったと言っても実際の作業、即ちメンバー集めに始まり編集作業から外部折衝に至るまで、同人誌製作に必要不可欠な工程は全てid:harutabeが務めており、製作総指揮、監督、脚本、配役、その他諸々全て奴の仕事であり、僕は原稿を書いて提出しただけなのですが。
 そんなわけで今回僕は消費社から出される『The Last Wannabies』*1なる同人誌のため「動物村落」という寓話を書きました。
 WEB上に存在する架空のコミュニティを舞台に、村長(ビッグ・ブラザー)と呼ばれるヨークシャーテリアが村民の動きを二十四時間監視し続け、シロクマがオタクや若い村民の自意識をペロリとたいらげ、猿や猫がネトウヨニセ科学信奉者を次々に粛清していく退廃的な社会を描いたディストピア小説です。
 そうして執筆作業に約三ヶ月費やし、

 かくして反省会という名目で、村内の不穏分子を取り除くことに成功したはてな村上層部。その成果に満足した彼らは昼夜無く宴を開き、酒をあおっては歌を唄い、火を囲んでは踊り狂った。だが、その半年後超巨大都市ブロマガの襲来がきっかけとなり、村がダムの底に沈むことになるとはこの時誰も予想していなかった……。

 と、原稿用紙換算にして400枚ほど書いたあたりで、「果たして俺はこんな一部の界隈にしか通じない、内輪受けする文章ばかり書いていても良いのだろうか? もっと他に書くべき物語があるのではないだろうか? あと訴えられたら証拠がはっきり残るし多分負けるんじゃないかな」と思い至り、急遽別の小説を書き始め、「タイムマシンの熊」という格闘家と熊が戦うだけの物語を送りつけたら、「お前の話は地味だし女の子出ないし無駄に長い」と言われたので、やっぱ「動物村落」送っときゃ良かった! あるいは「紳士の異常な愛情  または私は如何にして無課金のままでイヴ・サンタクロースを手に入れたか」とか書き殴っときゃ良かった! と思わず歯軋りしてしまったけど、書いてしまったものは仕方がない。
 まあ、僕の小説はいいじゃないですか。他の参加者の話をしましょう。
 前回の話では、僕とid:harutabeこと春巻食べたとid:wonder88こと握力のスリーピースでやっていく予定だったのですが、例によってまったくやる気を見せなかった僕と握力を尻目に、スプリングロールの野郎がせっかくなので色んな人を集めようとした結果、こんな面子が集まり合計十名の大所帯に、しかもどさくさに紛れて「はてな文壇」なる謎の存在を捏造する始末!
 大体文壇といっても、今回の参加者達に徒党を組もうなどという意識などあるかどうか疑わしく、どいつもこいつもこの人類総SNS時代に、blogを通じて他人と繋がろうとするわけでも小銭を稼ごうとするわけでもなく、ただただ自分の好きな文章だけを書き続ける「われらを花にたとえるならば、人も通わぬ山奥に咲いた紅葉の心意気!」*2みたいな面々である。僕のようなミッキーマウスのようにフレンドリーな男はともかくとして、彼らのようなトラックバックを送るのすら躊躇われるような狷介不羈な男達に声をかけ、さらには小説を集め同人誌としてまとめた編集長は本当大したもんである。「はてな文壇の完全総決算だ!」などという気の触れたコピーは置いておくにしても。
 これだけの面子がこれだけ集まったらページ数も当然ヤバいことになり、同人小説誌としては異例の324Pの大ボリュームである。
「それだけ厚いとお値段もさぞかしお高いんでしょう」みたいなことも言いたくなるが、なんとお値段は500円ポッキリ。ページ単価約1.5円! コスパ的には今回の出展サークルの中でもトップクラスであろう。
「いやだからさ、同人誌ってのはコストパフォーマンスじゃなくて内容で勝負するもんなんだからさ。コスパを売りにしても意味が無いの。コスパが重要視されるんだったら、ペラい鉛筆書きのコピー本にうん万円の値段がついてやり取りされるわけないでしょ?」といった意見は当然無視します。
 ちなみに今回の文学フリマに向けて春巻編集長は明らかに正気じゃない部数を刷っており、刷り部数を聞かされた参加者一同ドン引き。その中の一名が「それ……売れ残ったらどうするんですか?」と勇気を出して訊いてみたところ、「部屋が狭くなるから燃やす」という大変ロックな答えが返って来たので、「ああ。同人誌を作るというのは、一人の人間からこうも正気を奪ってしまうものなのか。やはりこの連中から原稿を集めるというのは大変な重労働だったのだなあ」などと実感しました。その後も「最近は印刷でトラブルが起きる夢や当日揉め事が起こる夢ばかり見る」「近頃キシリトールガムのボトルを一日一本消費してるので、もうずっとぽんぽんの調子が悪い」「結局のところ絵が描けないオタクはゴミなんだよ! 俺はこれから5年掛けてコミケの壁サークルを目指す!」などなど色々アレなことを言い出し始めたので、こりゃ二回目は無いな。と確信しました。
 よって、これが滅び行くはてなの中でも一段とピーキーなボンクラによる最初で最後の同人誌です。
 ちょうど一週間後の11月18日、東京流通センターで皆様のご来訪をお待ちしております。
 ちなみに当日は僕の誕生日前日なわけですが、「誕生日おめでとうございます」とか言われると「いや、別にめでたくも何ともないんで……」とか言い出して凄く面倒な空気になるよ! あと最速チケット取り逃して本気で涙目になったので、ヱヴァQのネタバレをする奴は問答無用でぶん殴ります。椅子で。
 そんなわけで、よろしくねー! ばいばーい!

*1:酷い名前だ!

*2:(C)覚悟のススメ

ラノベとミステリの話まとめ。あるいは反省会。

 http://d.hatena.ne.jp/srpglove/20121004/p1
・自分では何一つ生み出すことができなくても、時事ネタとか他人のネタ振りにはとりあえず反射するbloggerの成れの果てがこちらですので、上記のエントリを受けてtwitterで適当にダラダラと思うところを書いたりしていたところ、「不毛さが煮詰まってきた感」という全く以ってその通りな指摘をされたので、「bloggerに今さら不毛とかそんなこと言うなや」とドサクサ紛れで主語をでかくしながら反論しようとしたのですが、その反論すらも不毛であり、我々が本来するべきは、議論でも口げんかでも罵りあいでもなく。

ソクラテスだかヒエログリフだか忘れてしまいましたが、昔の偉い人は『「好きなら好きっ!」て言わなきゃダメ』という言葉を残しており、墓に彫ってもらうのにこれ以上相応しい言葉はないよな。とか思ったりするのですが、霊園の話は今はいいじゃないですか。どうせ私も貴方も無縁仏ですよ。あと久しぶりにエンクミ見直したらふかわりょうに似てる気がしました。

・そういったわけで、昨日のようなエントリーを書いてみたりもしたですか、「お前、そのネタ、前のオリンピックの年にもやってなかった?」とか言われて、僕は、僕はもう…………。

・ああいうしょうもないことを小手先で書いても誰も幸せになれないので、大学のミス研なんかに所属してライトノベルにも造詣が深い若い人達が真面目に同人誌に書いたりして文学フリマで発売したりすると、皆ちょっとだけ幸せになれるんじゃないかなとは思います。

・「ねえねえ、そういえばお兄さんもこの前、今度の文学フリマに同人誌を出すとか言ってなかった!?」「黙れ、殺すぞ」

・そういった意味では、「明日の午後俺につきあってもらおう、おまえに本物のスシがどんなものか教えてやるッ」と豪語する山岡さんは鼻持ちならない野郎だけど偉いよね。僕らが本来するべきは「お前の味覚がおかしい!」と糾弾するのではなく、「本物のスシ」を食わせることなんですよ。ガンバレ、大学生!(他人任せ)

・続きましてはネットで的外れなライトノベル批判を見るたびに、「いや世の中にはこんな作品もあってね……」と言いたくなるのだけど、そうやって俺が勧めるもの、勧めるもの、ライトノベル界隈ではことごとくマイナーな扱いを受けている問題〜〜〜(ドンドンパフパフ)

・マイノリティな作品ばっかり勧めるのは別に良いし、そうした作品がライトノベルにあるのも事実ですが、それがライトノベル内部ですら異端扱いされるような本であるし、そうした存在を一般の人が知らないのは当然なので、「こんな凄い作品があるんだぞお」とか言いたいんだったら、普段からもっと色々喧伝するべきですよね。日頃は何もしないくせに、揉め事のたびに顔をつっこんで偉そうなことを言って帰っていくとか、完璧老害じゃねえか、死ねよ。

・『バキ』におきまして、最凶死刑囚の一人ドイルが、「私だけが知っていればよいことだ、私の最強をね」と言っていたように、「俺さえ面白い作品の存在を知っていればそれで充分満足」みたいなメンタリティは誰にでもある程度あると思いますが、それだけじゃ色々先細って行くばかりなのでやっぱダメだよねえ……ガンバレ、大学生!(他人任せ)

・そういう意味でたまに2chラノベを33作ぐらいオススメしている人とか、id:hatikadukiさんは本当に偉いよなあ。と感心することしきり。僕が22世紀まで長生きするようなことがあれば、彼らの墓標には『「好きなら好きっ!」て言わなきゃダメ!』と刻み込みたいと思います!(犯行予告)

・ちなみに昨日のまとめは、当初「何はともあれ『六花の勇者』は絶対外せないよな」とか言ってたくせに、「あっ、当てはめられそうな箇所ねえわ」とあっさり切り捨てたりしてるので色々酷いと思います。

・けど、あれを書いたおかげで、僕が葵井巫女子ちゃんをどれだけ愛していたかを思い出せたのでよかったです。毎週ジャンプで『めだかボックス』を読むたびに、「えっ、今さらそいつら出して何考えてんの?…………ああ、その人達もうすぐアニメに登場するもんね」とか思ってげんなりしたりもしていましたが、『クビシメロマンチスト』は今読んでも名作ですよ!

・結論ですかね、まあやっぱ『「好きなら好きっ!」って言わなきゃダメ』の一言につきますね。付け足すならば「しからずんば黙れ」みたいな感じで。

・別に黙る必要は無いとも思いますが、一応自戒を込めて書いているので、まあこれぐらいは。あと改めて歌詞読んだら「好きなら好きっ!」は名曲だと確信したので、皆聞き直せば良いと思う。違法ダウンロードは犯罪なので、近所のタワーレコードに急げ! 置いてなかったら店員を殴れ!

・あとざっと読み返したら、普段blogを人を殴るための道具にしか使ってない奴が書くような文章じゃねえなと思いました、まる

ラノベ読者が本格マニアの彼女にラノベミステリーを軽く紹介するための10本

 指名されたんだもの、仕方ないね。
 
 参考:アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
 まあ、どのくらいの数のラノベ読者がそういう本格マニアの彼女ををゲットできるかは別にして、「ラノベはまったく知らないんだが、しかしラノベに対する認識がブギーポップから止まっていて、その上で全く知らないラノベの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、ラノベの面白いミステリーを紹介するために読ませるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「ミステリマガジン」のライトノベルレビューの変形版だな。本格マニアにライトノベルを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
 あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う20巻超え、30巻超えのシリーズは避けたい。
 できれば単発作品、長くても10冊以内にとどめたい。
 あと、いくらラノベミステリー的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
 富士ミス好きが『ブロークン・フィスト』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。「これは『PSYCHO-PASS』の脚本家の作品だぜ!」って便利な誘導手段があったとしても。
 そういう感じ。

 本格マニアの設定はラノベ知識はいわゆる「金田一のノベライズ」的なものを除けば、ファウスト程度は読んでいる
 オタク度も低いが、頭はけっこう良い

 という条件で。
 まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。


クビシメロマンチスト西尾維新

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

 まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「西尾以前」を濃縮しきっていて、「西尾以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも2作品目だし。
 ただ、ここで巫女子ちゃんトーク全開にしてしまうと、彼女に「甘えるな」って言われるかも。
 この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報をマニアに伝えられるかということは、ラノベ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。


[映]アムリタ(野崎まど)、ビブリア古書堂の事件手帖三上延

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

 メディアワークス文庫って典型的な「ラノベ読者が考える一般人に受け入れられそうなラノベ(そうライトノベル読者が思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを本格マニアの彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
ラノベ読者としてはこの二つは“小説”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。


サクラダリセット河野裕

ある種のラノベ読者が持ってる異能者への憧憬と、時間SFのオタ的な考証へのこだわりを本格マニアに紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも春樹フォロワーな
「気取った比喩のカッコよさ」を体現するケイ
「童貞的に好みな女」を体現する美空
 の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。


子ひつじは迷わない玩具堂

 たぶんこれを見た本格マニアは「日常の謎だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
 この系譜の作品がその後続いていないこと、仙波のツンっぷりが一部では大人気になったこと、
 米澤穂信ならソフトカバーになって、それが京アニでアニメ化されてもおかしくはなさそうなのに、スニーカー文庫でこういうのがつくられないこと、なんかを本格マニアの彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。


半熟作家と“文学少女”な編集者(野村美月

「やっぱりシリーズ物は完結してほしいよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「グインサーガ」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるファミ通文庫編集部の思いが好きだから。
 断腸の思いで作者が8巻で本編を完結させたのに、それでも外伝や短編集とあわせて合計16巻、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「終わらせる」ということへの諦めきれなさがいかにもラノベ的だなあと思えてしまうから。
 文学少女シリーズの長さを俺自身は冗長とは思わない反面、もう延ばせないだろうとは思うけれど、一方でこれが火浦功佐藤大輔だったらきっちり2巻で投げ出してしまうだろうとも思う。
 なのに、作者に頭下げて迷惑かけて番外編を本編と同じ冊数だけ書かせてしまう、というあたり、どうしても「金になるコンテンツを終わらせられない業界」としては、たとえファミ通文庫がそういう編集部でなかったとしても、親近感を禁じ得ない。ホームズがバリツでライヘンバッハから生還したことと合わせて、そんなことを本格マニアに話してみたい。


『失踪HOLIDAY』(乙一

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

 今の若年層でスニーカー文庫時代の乙一見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
 GOTHよりも前の段階で、乙一の文体とか伏線の張り方とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
 こういうクオリティの作品がザ・スニーカーでこの時代に掲載されていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくラノベ好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆる山白朝子でしか乙一を知らないミステリ好きの彼女には読ませてあげたいなと思う。


バッカーノ! 1931(成田良悟

 成田の「伏線回収力」あるいは「キャラクターづくり」をラノベ好きとして教えたい、というお節介焼きから読ませる、ということではなくて。
「終わらない戦いを毎日生きる」的な感覚がラノベ読者には共通してあるのかなということを感じていて、だからこそアニメ版『スレイヤーズ』は本編の第二部以降が作られていないとも思う。
「祝祭化した日常を生きる」というラノベ読者の感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源は『スレイヤーズ』にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。


修羅場な俺と乙女禁猟区(田代裕彦

 これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
 こういうハーレム風味のラブコメをこういうかたちでフーダニット化して、それが非ラノベ読者に受け入れられるか、気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。


涼宮ハルヒの憂鬱谷川流

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

 9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にハルヒを選んだ。
 西尾から始まってハルヒで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、YouTube以降のアニメ時代の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
 というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
「駄目だ今さら四年前のネタは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
 こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

いや、そこは直接言えよ

 参照エントリ
お前が言うなよ、ってお話 - 常夏島日記
はてなブックマーク - お前が言うなよ、ってお話 - 常夏島日記
「ブログに書かずに、部下に直接言えよ」 - いつか電池がきれるまで

 いやまあ、うん、僕も読んだ瞬間の一番真っ先に出た感想がね、「部下に直接言えよ」だったわけでさ、そりゃブログで問題提起するのはいいよ、ガンガンやればいいさ。ガンガンいこうぜ。エリクサーとかバシバシ飲んでいくし、フライングマンは五人全員使い潰そう。ペンは剣より強し。そうやっていけば、いつかその文章を読んで感化された人が世の中を変えてくれるかもしれない。
 けどさ、blogに書いてる内容が充分正論なだけに、普通に部下に言えばいいじゃんって思うよ。
 そりゃ、そうした発言をしたのが上司だったり、取引先だったり下手に強く言えない立場にいる人だったらしかたないさ。blogにひっそりと書き、いつか誰かの手によって世界を良くなるのを待とう。けど、言った奴部下じゃん。で、お前上司じゃん、じゃあそこは言っとけよ。
 実はその部下が普段から信じられないクソ馬鹿で言うだけ無駄だし、どうせその内辞めるだろうから、放っておけばいいやって思ってたりするのならば、別にいいけどね。
 id:fujipon先生曰く『「こういうことって、世の中によくあるよね。どうしたらいいんだろうね」という「問題提起のきっかけとなるエピソード」』らしいんだけどさ、とりあえずどうしたらいいかっていうと、まずは部下に教え諭せよ。そんな難しい理屈じゃないんだからさ。そりゃ積極的にバカに関わってストレス溜めたくない、不快な思いをしたくないってのはわかるよ、わーかーりーまーすー。けど、そんなもん誰だって一緒で、そうやって誰もそういうことやらねえでblogに書いてるだけじゃ、どうやっても世の中良くならねえんじゃねえの?
 だから「こういうことって、世の中によくあるよね。どうしたらいいんだろうね」に対するアンサーとしては「じゃあとりあえず部下にそのことを直接言え」以外はないと思うんですけどね。どうなんですかね。やっぱこれも『低次元な「揚げ足取り」』ってことになるんでしょうかね。
 

この文章の要旨は、部下を責めることではなく、「自分のことを棚上げにして他人に高い要求ばかりする社会は、最終的に自分を苦しめるだけではないか」だってことは、賢いはてなブックマーカー諸子はわかっているはずなのに。

 というのは大変結構ですが、そうして賢いはてなブックマーカー諸氏(笑)から共感を得るためにblogを書き、肝心のバカを放置していればそりゃ世の中いつまで経っても良くならないんじゃないかなー。バカにつける薬はないから仕方ないのかもしれないけど。
 ちなみに今回みたいな『低次元な「揚げ足取り」』とやらを避けるためには

 今日、会社でこんなことを部下に言われました。「〜〜〜〜」
 それは違うと思った僕はこう言ってやったのです「〜〜〜〜」
 部下は僕の言ったことに一応は納得をしてくれたようです。
 ですが、こうした考えの持ち主は部下だけには、限りません。最近の世の中では…………

 みたいな感じで、問題提起用に使った出来事を本文中でしっかり解決しておくのがポイントです。
 実際には本当にそんなことを言ってなくても、blog読んでる奴らに真偽を確かめる手段はねえ、でえじょうぶだ!
 まあ、何にせよ、好き勝手に思ったことを書いただけですが、こういうことをブクマに書いたりすると、「じゃあお前もブックマークコメントじゃなくて、直接書いている人(ブロガー)にメールしろよ」みたいな面倒くさいことを言われるかもしれないので、blogに書いてトラックバックを送りました! これぞSNS時代ですね!

ダブスタで正論言われた時の居心地の悪さって何だろうね?

 だからさ本気で殺すんだったら、やっぱ刃物じゃないですか。近年の数々の物騒な事件を経て刃物の殺傷性の高さは世人の方々にも知れ渡っておりまして、どんなに身体を鍛えた格闘家でも刃物で切りつけられたらガード無効でガシガシライフゲージを削られていくわけですよ。刃物マジつええ。
 それなのにさ、わざわざ人殺しのために、埼玉っていう田舎からわざわざ大津なんていう糞田舎に2週間かけて出かけて、しばらく野宿しながら下見までしたっていうのにですよ、持って行く武器がハンマーってお前、何考えてるんだよ? しかもわざわざ絞殺用に針金買うなよ! 何で無駄に用意周到なんだよ。そんなもんいらねえから刃物ぐらい買っとけ。埼玉のジャスコにも包丁ぐらい置いてあんだろ!
 で、それだけの装備して区役所の下見までして、やることと言ったら朝っぱらに正面から侵入して殴るとかさ、もっと考えろよ。夜中にこっそり殴るとかさ、陽の高い時間にしかけるにしろ、せめて後ろから殴るとかさ、もっとやりようがあんだろうが。明らかに殺る気ねえだろ、お前!
 その結果、相手にガードされて全治三週間の軽傷ですよ。まあ、それは仕方ない。下手に殺して重い十字架を背負うよりは傷害で済んだ方が良かったのかもしれない…………って思ってたら、あっさり殺意を認めて殺人未遂容疑でとかどこまでもアホなんだよ。しかも計画性あったことまでバレちゃって、ますます罪が重くなりそうじゃない。せめて弁護士来るまで黙秘を貫けよ! リスクとリターンが全然釣り合ってないよ!
 あれですか、これが今流行の真面目系クズという奴ですか。
 普段の生活どころか犯罪を犯す場合でも損をするあたり、真面目系クズってのは本当にろくでもないライフスタイルなんだな、と。
 だって、これが不真面目なクズだったら「ネットの影響で面白半分でやった」とか言って殺意の否定ぐらいはしたよ。
 ところで、裁判になった場合にこれってどっちが罪重くなるんでしょうね?
「義憤に駆られて殺してやろうと思った」と「ネットで叩かれてるのを見て物理的にも叩いてやりたくなった。殺す気はなかった」。
 世間のイメージ的には後者よりも前者の方がマシな気がするんだけど、やっぱ殺意を認めちゃってるから前者の方が罪が重くなるんかね。
 まあ、どちらにせよ人様をハンマーで殴るなんて褒められたことではないですが(道徳!)。
 しかし、そんな彼のハンマーパンチはガス抜きとしては、それなりに有効だったようで、世間の色々な場所では「スッキリ!」とか「ガッテン!」とか「ヨクデキマシタ、ヨクデキマシタ」とか喝采の声が上がっているわけですが、そうした風潮に意を唱えるのが、小説家にして、と学会会長の山本弘先生。
山本弘のSF秘密基地BLOG:世の中にはこんなにも異常者が多い、という話
 mixi日記に書かれた事件に好意的な意見を、快刀乱麻を断つが如くバッサバッサと切り捨てていっています。
 けど、冷静に考えたらmixiなんて、人間の知性をネアンデルタール人レベルに貶める、逆モノリスみたいなもんじゃないですか。そんな馬鹿の集まりから発言を引っ張って批判なされても、「mixiはやっぱ馬鹿しかいないな…………やはり時代は『知の巨人』や『インテリジェンス・モンスター』が集まるはてなダイアリーだな…………」ってなっちゃうんで、不毛ですよね。もうちょっとマシなところから参考のコメントを拾っていただきたい。できればtwitterあたりから。はてな? あんな限界集落誰も見てないから気にしなくたって良いよ。そのうち潰れるって。
 それで、その山本先生が、mixi日記の馬鹿の発言を取り上げて、「背筋が寒くなってきた。日本にはこんなにも異常者が多いのか。」と言っているのですが、それは日本じゃなくてmixiだからね、あそこは馬鹿しかいないからさ、本当。mixiを覗いて『日本にはこんなにも異常者が多いのか』っていうのは、東京拘置所を覗いて「この国にはこんなにも犯罪者が多いのか。」って言ってるようなものだからね…………これは流石にちょっと言い過ぎだな、小菅の人ごめんね!
 でさ、とりあえず話を戻すけど、山本先生が今回の件に対して、元・いじめ被害者の立場から、

げんに人が殺されかけたというのに、それを笑って済ませる心理が、いじめを楽しむ加害者の心理と同じものだと、なぜ気づかない?

 と仰られており、それはそれでわかる話なのではあるのですが、ただ一つ気になることがあって。
 貴方、と学会の会長ですよね?
 と学会というのを一応説明しておきますと、頭のネジがちょっと緩んで世間の常識や道理から外れてしまった方々を、トンデモさんと呼んで楽しく観察しようという集まりです。けど、それってそもそもの発想からして、「いじめを楽しむ加害者の心理」と大差ないっていうか、まんまそれですよね。
 2chのネットwatch板では「ウォッチ先 さわらず荒らさず まったりと」という箴言が掲げられているわけですが、と学会なんてそいつらをネタに本まで出しているわけで。
 別に「と学会が非道徳的な集団だ!」とか「あいつらは人を笑い者にして楽しむ最低の奴らだ!」とか言いたいわけではないのですよ。昔はと学会の本、結構読んでいたし、今だってネットでアレな人を見かけたら率先して指差して笑いに行きますよ。ただ、そこの会長に「それを笑って済ませる心理が、いじめを楽しむ加害者の心理と同じものだと、なぜ気づかない?」と言われるとちょっとモニョらざるをえない。
「それじゃ、貴方のやってることはなんだ?」とか言いたくなるわけですよ。
 人間どうしたって矛盾する生き物だし、「それはそれ、これはこれ」で片付けるのも一つの手段だし、さすがに教育長をハンマーで殴るのはアレなので批判するのはよくわかるのだけど、その際にさ「いじめを楽しむ加害者の心理」なんてのを持ち出すのはどうかと思うのですよ。
 僕も普段の行いが十二分にアレなので、こういう時に「いじめいけない!」とかなかなか言いづらく、何か言いたくなったら2chに行って、コソコソと匿名で正義の旗印の元、色んな奴を糾弾したり、「篠崎愛の画像ください!」とかスレ立てているわけで、それは決して褒められたものじゃないのでしょうが、だからといって、普段の言動と180度逆の角度から他人を批判している人を見かけると、「何だかなあ」と思ったりもするわけで。
 まあ、僕のようなナイーブ、あるいは小心者の人間にはどうしたって生き辛い世の中なので、やっぱタフにこの世を生きる為に必要なものは、差別はいけないと口で言いながらその手で黒人をガシガシ殴ったり、ソープで一発抜いてもらった後、早速嬢に説教を始めるような、高潔な精神性だったりするんでしょうね。
 はぁ、くわばらくわばら。

はてな村反省会反省会

 今回のあらすじ
 こうなってこうなってこうなった


 まあ、そんなわけで、はてな村反省会などというようわからん催しを俺と村長ですることになり、「色んな人の悪口をたくさん言って盛り上がろうね!」ときゃっきゃうふふしていたら、ちょうど機を同じくしてハックル先生がtwitterを開始しており、ここであったが百年目。
 やはりはてな村反省会と銘打った以上、古くからはてな村で蛮勇を奮うハックルさんを誘わない道理はないでしょう?と村長に提案。
 「マジで?」「マジで」「オーケーされたらどうすんですか?」「まっさかー、オーケーされるわけないじゃないですか? ポーズですよ、ポーズ。それなりに忙しいでしょ、あの人」「だよねー、大丈夫だよねー」「だいじょぶ、だいじょぶー。じゃよろしくー」(中略)「いいですよー」「「…………」」
 その後、「洒落になってねえじゃねえか、責任取れよコラ!?」「知るかよ! 本当に誘ったてめえが悪いんだろ!」という見苦しい争いがあったかどうかは定かではありませんが、俺も村長も、かつてハックルを散々DISりまくった脛に傷持つ身。リアルで会ったら殴られても文句は言えないし、最悪の場合、秋元康事務所からやってきた黒服SPが我々を黒塗りの車に押し込み、数時間後お台場に二つのスーツケースがドッポーンとなってもおかしくない。
 これはヤバい。
 とりあえず村長を犠牲にしてでも俺だけは生き残ろうと決意を固め、命乞いが必要になった時に媚を売るために、ハックルベリーに会いに行くの過去ログを読みこんでいこうと考えた。ここで著書ではなく、金のかからないblogで済まそうという辺りに俺のやる気がうかがえる。
 で、これまでの俺と『ハックルベリーに会いに行く』との付き合い方は、ホットエントリーで上がっている時に、その場その場で話題になっているやつを読んで、その度ごとに「やっぱこいつはアレな野郎だな」と思いを新たにしていく感じだったのだが、今回まとめて読むとそれとは全く別の感じを受けた。
 たとえば、俺が初めてハックル氏のエントリーを見たのは、http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080527/1211816615であり、タイトルを見た瞬間「何を馬鹿なことを言っているんだ、この男は?」と思った。
 このエントリーで氏は、

この世界には、それ1冊読んでおけばSF小説というジャンルそのものを語れる作品が――

あるかどうかは分かりません。というのも、残念ながらぼくはSF小説を読んだことがないからです!(これ本当)

 と書いている。
 だが、実はそれ以前のhttp://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080421/1208761084というエントリーで、影響を受けた作家に、筒井康隆の名前を挙げている。あれ? SF読んでるじゃん?
 あるいは、http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080806/1218001052というエントリーでは、それなりに納得のいく内容を書いている。
 それにもかかわらず、本人が他人をdisる時にはその作法を全く守ろうとしていない。
 こういった様々な例をまとめて読まされると、自然とある可能性に思い至る。

「こいつはかなり前からアレな野郎だとは思っていたが、そうしたキャラは他人からの注目を集めるためにわざとやっていただけではないか?」

 話を続けよう。
 ハックル氏の映画評にhttp://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080825/1219630417というものがある。
 この中でハックルは、

例えばジョーカーは、親に虐待を受けたことが犯罪の道に走るきっかけの一つのように描かれている

 と評しているのだがそれは大きな間違いであり、複数の人々から批判を受けている。
 ジョーカーは自分が犯罪者になった理由を、その場その場でコロコロと変化させており、ハックル氏が見せたような分析を嘲笑ってみせるのがジョーカーというキャラクターだ。
 そうした捉えどころの無さがジョーカーの大きな魅力なっているのだが、ハックル氏の誤りにはある一つの示唆がある。
「もしかして、ハックルがジョーカーという人物を勘違いしてしまったように、我々もハックルというキャラクターを勘違いしていたのではないだろうか?」
 そのような確信をさらに強める例として、このエントリーでハックルはこのようなことを言っている。

このブログを書き始めた時に、ぼくは自分が道化師になる覚悟を決めました。道化師になって、アリーナに立つ覚悟を決めたのです。そうでないと、もうこれ以上は生きてはいけないと思ったからです。ぼくは道化師になって、客席に向かって自分をディスクローズする必要があったし、観客にコミットメントしていく必要があった。さらにはバカになって踊る必要があった。ぼくにはアリーナで踊る必要があったのです。もうこれ以上、人前で踊ることを躊躇うことはできませんでした。

 blogなどを書く人間は誰だってアクセスが欲しいし、多くの人に読んでもらいたいとは考えている。そのために多少おどけてみせるぐらいのことはするだろう。
 だが、当時のハックル氏のやり方、特に他人への絡み方は度が過ぎているようにも感じる。
 別にハックル氏はわざわざ自分をピエロに見せなくとも、充分ブックマークを集める興味深い記事を書くことができる人物であった。
 たとえば、この『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の感想では『バクマン。』で話題になった、「シリアスな笑い」という概念に、『バクマン。』よりも半年近く先に踏み込んでいる。
 そうしたまともなエントリが書けるにもかかわらず、ハックル氏は自分を愚かに見せかけることも厭わず、敵を作ることにもためらわず、どんどん様々な物事に噛み付いていく。
 普通の人は他人から軽んじられればプライドが傷つくし、disられたら腹立ちもすれば悔しくも感じる。
 だからこそ、自分を頭良く見せかけようとしたり、なるべく他人を敵に回さないように振舞うのだ。
 だが、ハックル氏はそうした点には頓着しない。に周囲に喧嘩を売り続け、燃え盛るコメントと共にブクマの数を増やしていった。だが、もし彼の当時の狂犬のようなな行動が全て計算尽くで、ただただアクセスを集めるために最善手を指し続けていたものだったとしたら……。
 これはヤバい。ヤバすぎる。この可能性に気づいた瞬間、本当に嫌になった。
 例えるならば、それまで目の前にいた恐ろしい怪物の背中がバリバリと割れ、中からよりおぞましい怪物が現れたような状況だ。
 他人の誹りや嘲りを気にすることはなく、また他人に嫌われることなどおかまいなしに平然とDISを飛ばしていく。
 そのような怪物を相手に我々はどう対応すれば良いのか?
 当日ハックル氏が懐から鉛筆を取り出し、Ustのカメラに向けて「今からこの鉛筆を消してみせよう」とか言い出したらどうするよ?
 というわけで当日の俺は不安に怯え、大分ゲンナリしていたわけだが、実際にはてな村反省会会場にやってきたハックル氏は、剣呑さを感じさせる厳しい外見とは裏腹に、村民が喜ぶツボをしっかり抑える発言や、はてなスタッフや有名人に喧嘩を売るプロレス的な発言で場を盛り上げ、イベントは大過なく終了した。
 で、イベント終了後、二次会会場のつぼ八で、「村長の司会はハックルに完全にペースを掴まれていて微妙だったよね」「それよりもお前の話を聞く態度最悪すぎ。すぐ隣にいたんだから足を投げ出してiPhoneいじってんじゃねえよ」と互いにダメ出しをした後、今後は思いつきで人を呼んだりするのはやめようね、と穏便な反省をすることで無事落ち着いた。
 あと、まあアレですね、15人以上人がいたのだから、誰か一人ぐらいはハックル氏の著作を持ってきて、サインを求めても良かったのではないだろうか…………と思ったが、もう遅いですよね。もし次の機会がありましたら皆様気をつけてください。僕はもう絶対こんな恐ろしいイベントには参加せず、お家からUstで見守ることにしますが。
 何はともあれ、参加者の皆様お疲れ様でした。そしてハックルさん、こんな思いつきの集まりにわざわざ来ていただき誠にありがとうございました。
 とりあえず、僕もこれを機にハックルさんがblogで薦めていた『第九軍団のワシ』を読むことにします!
 『もしドラ』に関しては…………またね!