獣の数字は666、殺しの数字は007

 獣だのレイプだの、はてブが姦しいので、こいつぁあれかい? 獣姦の話ってやつかい? そういや、知ってっかい、犬のペニスってのは根元にコブがついててねえ、何であんなけったいなもんがついてるかっていうと、射精した時に子種汁がほとからこぼれでねえようにする為になってるんだとよ。いやあ神さんってのは、ようく考えて生き物を拵えたもんだよ。と合コンで使える獣姦豆知識*1を披露しようと思ったら、どうやらそういう話ではなかった。このまま獣姦から始めて、上手いこと中学生の頃の三大ポルノトラウマ、「馬と団地妻」「駕籠真太郎」「前橋君のビデオデッキ壊れた事件」の話にスライドさせようと思ったのに、駄目っぽいですね。
 そもそも獣ってのはね、レイプとかしないわけだからさ、レイプをする生き物ってのは地上では人間だけで、そこでレイプの例えに獣を使うのは全然違うよね。間違ってるよね。けど、水中の話にはなるけど、海豚はレイプするらしいね。頭がいいからね、あいつらは。レイプってのはある程度知能がないと出来ないんですよ。わかりますか。と思われていたのですが、世の中にはレイプをするオランウータンというのもいるらしくて…………と例えに例えを重ねると、最終的に何の話をしているのかがわからなくなるのが世の常で、そもそも「関口君、獣などどこにも存在しないのだよ」と俺の中の京極堂が言っておりますが、今回の話に言及してる人のほとんどは「男は獣じゃない」ってのは認識してるし、それをのたまっていた渡辺淳一のコラムがろくでもねえとも思ってるわけで、そこでレトリックの揚げ足を取り合っても仕方がねえよなあ。という気はします。各人の「獣」の定義も曖昧で各自別物な感じがしますし。
 で、まぁ、曾野綾子の言ってた格好の問題なんですが、誰かは忘れましたけど、確か古来ギリシャの偉い人あたりが「裸だったら何が悪い」と言ったように、人間好きな格好をすれば良いと思います。僕は紳士なのでどんなけったいな格好だってスルーします。だから、僕が駅の階段でスカートの短い女性を見つけたときに、急に足の歩みが遅くなって、何故か視線が上向き加減になってしまうのもスルーしていただきたい。ファッションってのは他人に見られる為の行いでもある以上、他人に見られたことで文句を言わないで欲しいですね。だから、刑事さん、僕は無罪なんですよ。そりゃね、携帯のカメラにたまたま彼女の下着が移り込んでましたけどね、それは偶然ですからね。いや、確かに改造して、シャッター音が出ないようになっていますが、僕が僕の携帯をどんな風にいじろうと僕の勝手じゃないですか。わかりました、じゃあ弁護士呼んでくださいよ…………あ、駄目だ。いつの間にか俺が捕まってる。外は怖いな。引き篭もろう。
 というわけで、引き篭もって、自らを予防拘禁することに成功した僕には最早関係ないんですが、気になってるのが、元々のレイプの問題って「善良な市民対犯罪者」の話だと思ってたのに、それがいつの間にか「男対女」がメインの話になってる気がするんですが、どうなんすかね、これ。ああ、けど大本の渡辺や曾野の話が、アレだったから仕方ないのか。
 ま、いいや。それで話を本来の流れに戻して、「男性は夜道を闊歩できるのに、女性は夜歩いちゃいけないなんて差別だ!」って話に関して、あんまこういうこと言いたくないし、言うべきではないと思うんですけど、正直どうしようもないですよね。
 いや、「夜道を歩いてるなんて不用心だ。襲われた方にも責任がある」とかいう馬鹿は死ねばいいですけど。
 で、まぁ、どうしようもないとか言うと、そこで終わるのは、ただの思考停止だ。もっと社会をより良い方向に変えていく方法を考えろって言われそうなんですが、まあ、そういう方法も無いことは無い。id:NaokiTakahashiがこちらのコメントで書いてるように戒厳令でも敷けばいいし、それは極端にしても、歌舞伎町で行われているような防犯カメラの設置を日本中で行うなり、携帯の通話内容を逐一チェックして、きな臭いことを言ってる連中がいないか常日頃から盗聴するなり、50メートルおきに派出所でも設置して職務質問や持ち物検査を常態化するなりして、監視社会の警察国家にしちゃえばよろしい。そうすれば多少息苦しくはあるでしょうが、犯罪数も目減りして、老人や女子供も安心して夜間外出できるでしょう。
 ああ、あと昔読んだSF小説では、国民全体に性欲を減退させるピルを支給した結果、レイプも起きず、人口管理も完璧という大変理想的な世界を描いていました。これだからSF作家って奴は。
 こうした極論を振り回すのは大変不毛ですが、正直な話、この問題ってジェンダー論どうこうで解決できる問題じゃないですよね。夜道を歩く方にも問題があるとかほざく糞みたいな男を駆逐するんだったり、デートレイプを減らそうなんていう話ならともかく、そういう理屈では実際に夜道で暴漢に襲われる危険性を処理できないわけで。
 犯罪ってのはどうやっても起こりうるものですし、善良な市民は犯罪者には勝てない。彼らを捕まえ処罰することはできるけど、犯罪行為によって失われたものは返ってこない。ま、窃盗とかだったら戻ってくるかもしれないけど。
 『機動警察パトレイバー』で後藤隊長が「おれたちの仕事は本質的に手遅れなんだ」と言っていましたが、警察だって、何か起こってからじゃないと基本的には動けなくて、ネットでわざわざ「小女子を殺す」なんて予告する馬鹿は捕まえられるけど、何も言わずにトラックで歩行者天国に突っ込んでくる奴は止めようがない、残念ながら。
 そういや、昔読んだSF小説では、未来予知によって、犯罪を犯すであろう人間を見つけ出し、犯行前に捕まえることによって、結果犯罪が起こらないという大変理想的な社会を描いていました。これだからSF作家って奴らは。 
 基本犯罪者に対しては善良な市民の方々は後手に回るしかなく、そして性犯罪に関する限り、女性の方が男性よりも被害にあうリスクが高くて、それに関して自称善良な市民兼男性の僕としては、胸に手を当て、「私は将来にわたりそのような犯行を決して行わないことを誓います」なんて言うのがせいぜいなのだけど、それでも実際にそうした事件を減らそうとするならば、シンプルに性犯罪関係を厳罰化して、ちんこもいだり、釈放後にもGPS埋め込んで、位置情報を常にチェックしたり、あるいは額にナイフで「犬」って刻んでやるのが関の山なんじゃないかなあ。

*1:俺が獣姦から知ったというだけで、よくよく考えれば別に獣姦の知識ではない